ルキノ・ヴィスコンティーの『ベニスに死す』をDVDにて観る。映画館を含め何度か観ている。ヴィスコンティー作品の共通テーマは"退廃と美"というというところなんだろうけど、
この作品も美しい。主人公の名声や社会的地位を得たひとりの作曲家、指揮者(これはグスタフ・マーラーがモデル)がベニスを訪れ、そこで出会った美少年に恋心を抱く、そしてシロッコ(熱風)と共に疫病が蔓延するなか最期を迎えるという筋で原作はトーマス・マンの小説だ。
熱病のような恋と病に冒されてゆく、神経質で内向的な主人公の姿をダーク・ボガードがよく
演じている。そこにかっこうよさや美しさはない。虚しくて滑稽なのだ。
おじさんの恋心なんてそんな感じなのだろう。
哀れなもんです。(自嘲、笑)
美しくありたいと願っても、老い衰えてゆく現実との葛藤やいらだちなどそういうことも感じさせる作品だ。
そしてなんといっても全編に用いられているマーラー第5番 第3楽章アダージェットこれが美しいことこの上ない。
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